復興への道筋は?

コロナアフターの経済復興の道筋はどのようになるのだろうか?

巷では、「前のような経済活動ができなくなる」との不安を感じている人が多い。それもかなり。中小零細企業の経営者はかなり。

観光業は、外国からの特に中国からのインバウンドによる観光客が激減する。もう戻らない。安倍総理も海外からの観光客が年々増えてきたことを前回の衆議院選挙でも声高に訴えていた。これが外貨を稼ぐ。日本を経済成長させる、まさに国家戦略だったはず。その前提が、コロナ大過により、見直しが迫られている。

また、中国および外国からの生産、供給依存の経済構造も、改めなければならないのだろう。安倍総理は、 新型コロナウイルス感染拡大で製造業のサプライチェーン(供給網)が寸断したことを受け、生産拠点が集中する中国などから日本への国内回帰や第三国への移転を支援す緊急経済対策を2020年度補正予算に盛り込んでいる。総額は2435億円にも及ぶ。⽇本企業が特定の国に過度に依存しない強靱(きょうじん)なサプライチェーンを構築するため、特定国に依存する製品や部素材の生産拠点を国内に整備する場合、建物や設備導⼊費用の一部を補助する。第三国への生産拠点の多元化も後押しする。(4月9日報道)

政府のこのような補正予算を組んだことは、最もと思うだ、要はどのように実現に至るか?これには、国民の意識改革が必要だ。しかしながら、その道筋は国が指針を示す必要があるだろう。しかも大手企業は資金力があるにしても、中小零細企業がこのような経営構造の変革を実現するには、資金が必要になる。投資が必要になる。当然、借り入れを起こして、企業としての資金調達が必須になる。国は、全面的にバックアップする覚悟があるのだろうか?中小零細企業は過去にその過酷な試練に耐えて、何度も復活をしてきた。その本気度は政治がしっかりと示す必要があるだろう。

観光業も海外からのお客が復活しないことを前提に、如何に、観光客を確保していかなければならないのだろうか?国内の観光客を増やすのか?中国などに頼らずに、他の日本と友好国の交流をさらに増やして、安全面衛生面を整え、海外からの観光客を迎え入れる準備が必要だ。これまでズブズブのある意味では、野放図で中国人の渡航を受け入れ、北海道の土地などを中国人に買い漁られていたことは、反省材料だ。教訓にすべきだ。海外からの観光客も、日本としても自信をもって相手国を選ぶべきなのだろう。台湾などには、優先順位を上げたらいい。中国に対しては厳しくすべきだ。ズブズブの入国管理の在り方さえも見直すべきだ。

さて経済のV字復興を目指すには、見えない壁も障害になる。「ゼロリスク」と言う言葉だ。今後、経済復興とゼロリスクは対立することになる。経済成長を促進させるには、必ず人が賑わい行き来するわけだ。これに対して感染拡大を防ぐには「自粛」させる。リスクをゼロにする対策が必要だからだ。今後の第2波、第3波が起きてもリスクゼロ政策になる可能性はある。多くのマスコミ、TVのコメンテーターによるリスクゼロの連呼が、必ず経済復興の妨げになるし、対立するはずだ。リスクゼロは、専門家でもない誰でも言えるから楽だ。TVでも専門知識のない無責任なコメンテーターが連呼していた。誰でもいえるのがリスクゼロだ。振り返って欲しいが、日本のコロナ対策は稚拙と政府の対応を罵り、誹謗中傷を繰り広げ、「韓国のPCR検査を見習え!」「緊急事態宣言を出すのが遅い!」など、非専門家がリスクゼロを言いわめき散らしてきたわけだ。実際のところ彼らの発言は、感情論だけで何の根拠もなかった。ただ政権を攻撃したいだけだったのだろう。実際には、見習うべき韓国は感染者数や死亡者数は日本より多い結果だし、専門家が後からコメントするとPCR検査と感染者を防ぐ方策との因果関係は何もないのが、実情で。リスクゼロの扇動者たちは、まさに言いたい放題だった。

このようなゼロリスクの考え方が、必ず経済復興の障壁になるわけだ。特に、マスコミ、また専門家でもない言論人が酷いわけだ。

国民の意識の中に、冷静な議論を提示する必要がある。そして冷静な判断の下で、コロナアフターの生活を考えていかなければ、日本の経済回復はありえないと思うのだ。

実際には、インフルエンザも、コロナより命の危険性を伴う感染症だろう。コロナも薬にしてもワクチンにしても、開発が進むことは、予想されるし、感染症とはうまく付き合っていかなければならない。同時に、コロナのリスクを考えながらも、バランスを取りながら、経済活動も続けることが必要で、そこには人心を煽るような環境での議論はいらないわけだ。冷静な議論を展開する必要がある。政治家や影響力のある方の発言は、特に大きい。これらの方の真摯な議論展開を、そして、国民が冷静な判断、落ち着いた判断ができるようになるこどが、コロナアフターの今後の指針となる気がする。