日本のマイナンバー制度の現状(IT先進国??)

6月議会が1日から告示される。今回の6月定例会では、コロナ対策として議会の運営自体も制限されることになった。

先日の議会運営委員会での議論では、一般質問の人数や時間、答弁に関する内容にも、大枠で申し合わせをした。

一般質問は、通常であれば、議員が自由自在にひとつのネタ、課題を取り上げて、自由に質問できる。議員としても一つの晴れ舞台なのだが、今回は、制限することになった。

我々は、最大会派とのこともあって、ドント方式により、2人質問することになった。他の会派は、少数会派なので、もっと少ない。一人会派の議員は、質問できない。

あくまで、今回に限って執り行うことになる。

我々の会派からは、長塚俊宏(ながつか たかひろ)議員が一番バッター。次に黒田健祐(くろだ けんすけ)議員が一般質問をすることになっている。

会派の中で、気になる課題を二人に挙げて、質問してもらう。意味合いは、会派代表質問のようなイメージだ。

私もマイナンバーのことでいくつか聞いてもらいたいと思っている。

少し説明する。

10万円の給付で言えば、今回は特に、行政や金融機関の手続きのスピードが求められていました。しかしながら、現実にはマイナンバーカードが普及しておらず、多くの人は郵送による申請なっているようです。郵便申請では、申請後、内容を役所の人が一枚ずつ確認して、振り込まれるまで相当な時間を要することになると思われます。この点は大きな課題です。

今回は、直前になってマイナンバーカードの申請で役所に人が殺到。”3密”状態となり、本末転倒な状態になったと言えましょう。

日本は高い技術力によってIT化された国家だと思っていました。しかしながら、そのせっかくのIT技術を有効に活用できていないという現実が顕在化したわけです。

ただ一方で、他の国とのマイナンバーカードの整備環境の比較、及び普及に至る国家的及び歴史的な経緯は、かなり差があるので、その現状を説明しておく必要があるでしょう。

わかりやすい比較は、韓国との比較です。韓国はすでに国民すべてに13ケタの住民登録番号が付与されて、 上6が生年月日(西暦の下2ケタと月、日の2ケタ表記)、1ケタの性別を示す番号、下6ケタが出生届を出した自治体の番号や出生届の順番などから成り立っている。つまり、いつどこで生まれたどんな性別の人なのかが、番号を見れば分かる仕組みになっています。

では、どうしてすべての国民が番号を振ることに同意したのでしょうか?日本であるならば、そんな疑問が湧くでしょう?それは、韓国の歴史に原因があります。

1968年、当時の朴正煕(パクチョンヒ)大統領が青瓦台(大統領府)で朝鮮人民軍のゲリラ部隊に襲撃される暗殺未遂事件が発生しました。この事件が発端で、北朝鮮のスパイを選び出す目的で住民登録を実施し、個人に番号を付ける制度がスタートしたのです。軍国政権であったがゆえに、住民登録番号の導入目的の1つに、自国民と北朝鮮国民とを区別し、国民の安全を確保するという観点が含まれているわけです。

また、この時から出生の届け出と同時に住民登録番号を付けることにもなった。当時はIT化も進んでいない時代。住民登録番号を生年月日などと関連させたのは、個人情報をあえて露出させることでスパイではないことを証明する必要があったからだろう。

一方で、日本は戦後の民主主義に基づいて、ようやくマイナンバー制度がまだ始まったばかりです。マイナンバーカードの普及についても、国民一人一人にお伺いを立てているのが、現状です。つくば市議会でも、マイナンバーカード制度自体を反対する議員の方は、マイナンバーカードをしていない議員がおります。いわんや市民一人一人にカード自体の有効性を普及させることは、とても困難なことだとも感じます。

今回の教訓を得て、市民にも、有効性が理解できたことにもなるのではないでしょうか?

ちなみに、今回のコロナ対策として、韓国政府が国民に給付した金額は、4人家族で約9万円ほどとのことです。これを4分の1だから、一人、22,500円。また実際には、現金支給ではなく、カードで支給されるとのことです。カードでは、下ろせないし、使用期限があるし、すべてのお店で利用できるわけではないようです。

韓国と日本の比較ですが、日本国内では安倍総理の10万円給付に批判する人が多いのでしょうが、他国との比較して、冷静に分析すると日本政府の取った給付がいいのか?悪いのか?どこの国と比較して、どのような効果があるのか?比較と分析は、今後もさらに続くのではないでしょうか?

もちろん、私自身は、まだまだ不満があります。「自粛」要請をする以上は、「補償」がセットでなければ、政治的に筋が通らない。今後も、もっと大胆な財政出動、国債発行による資金供給増をお願いしたいと思っています。

大事な点は、平時と有事の際の対応は違う。そして有事の際は、機動力が発揮できなければならない。決定した政策を実施するには、スピードが重視されることも、今回のコロナ大過の教訓でしょう。

国の政策が大きな影響力ですが、地方自治体としても最大限何かできるか?議論して検討する必要があるでしょう。