高松丸亀町商店街振興組合について。今回の視察の中では、目玉となりました。
重要なキーワードは、「土地の所有権と使用権の分離」を実践していることです。今回の視察の重要なキーワードと言っていい。
宮崎県の油津商店街の視察の時も、商店街の活性化に頑張っているなあとの印象も強かったが、今回は、それをも凌ぐ大きな衝撃を受けたという印象だ。どこの地方の商店街も活性化を模索しているが、必ず障害になるのが「土地問題」だ。この土地問題を解決する重要なキーワードが「土地の所有権と使用権の分離」だというのが、高松丸亀町商店街振興組合の理事長 古川康造 の主張。しかもそれを実際に計画的に実践していることがすごい。
また商店街の活性化を目的とした事業ではなく、商店街に人を如何に「住み着く街」に再生させること。居住者を取り戻すことを考えて考えて考え抜いたという。
現在、つくば市の駅前などは、マンションばかりが乱立しているというが、ちょっと見方を変えれば、マンションが問題ではないかもしれないとも考えた。住み着いた人々のその周辺に、回廊して歩けるようなスペースがない、楽しめるスペースエリアが無いだけかもしれない。そして、それを実現するための「土地問題」の解決方法として、「土地の所有権と使用権の分離」に行きつき、それを実現しているのが、まさに丸亀町商店街ともいえる。
土地の所有者は、自分の土地を共同で作った街区組合に定期借地権60年の契約を結ぶ。これにより、土地の所有者は、土地の使用権を失うことになる。その代わりに、街区組合と組合が出資したまちづくり会社『高松丸亀町まちづくり㈱』が、土地の使用権について総合的にプロデュースしながら、まちづくりを進めていく。
高松丸亀町まちづくり株式会社は行政からの出資比率を5%とした民間主導型の第3セクターです。イニシャルコストについては行政の支援を一部受けていますが、ランニングコストは自主財源で賄うよう収支計画を立てています。利益については地元へ還元することを目的としており、従来の企業デベロッパーと異なります。このような民間主導型の市街地再開発は、全国でも初の試みです。
また、街区ごとに、ドーム広場&ブティック街。アートカルチャー街。ファミリーカジュアル街。美・健康・ファッション街。とゾーニングしてまちづくりをプロデュースしていく。
さらに、重要なキーワードは「前例主義に拘らない民間主導、成功例ではなく失敗例から学ぶ」。また「住宅整備とテナントミックスは車の両輪」。衣食住ではく「医・食・住」がキーワード。
とにかく現場にいくと、人がとにかく歩いている。単純なことだが、楽しみながら、歩いている人々が多くいる。とても印象的だった。
とにかく今回の商店街は、必見だ。つくば市でもこの成功事例を参考にする必要が必ずあると感じた。ぜひ、皆様も一度、高松へ。