行政視察 吹田市サッカースタジアム

会派・自民つくばクラブ・新しい風の行政視察。第1日目

大阪府吹田市のサッカースタジアム建設についてが視察先。ご存知、プロサッカーの「ガンバ大阪」のメインサッカースタジアム。スタジアム建設費を全額寄付金で建設したスタジアムとして有名だ。

 建設資金の内訳は、次の通り。

 法人募金 721社         99億5019万円

 個人募金 34,627名        6億2215万円

 助成金  JSC・国交省・環境省 35億1,333万円

 総合計             140億8,567万円

「国等に対する寄付金の確認」を利用し、『スタジアム建設募金団体』が140億の資金を集めて、建設費用をすべてを調達した。スタジアム建設後は、吹田市へ寄贈。運営は、50年の指定管理者制度で、㈱ガンバ大阪が運営している。

収容人数:40,000人(JFA Sクラス)。㈱竹中工務店の施工によるもの。

スタジアムの特徴は、太陽光発電やLED照明ナイター照明を仕様で、環境に配慮したもの。ヨーロッパスタイルで観客席が試合場と近距離で臨場感があふれるスタンドも特徴だ。吹田市の災害用備蓄倉庫の設置と救援物資配送センターの役割もあり、地域防災拠点にもなる。避難所としては、短期滞在は800人・長期滞在は300人を想定している。

スタジアム完成後の活用については、周辺スポーツ施設と連携した健康増進拠点やガンバ大阪のノウハウと周辺大学・医療機関と連携したスポーツプログラムの提供が活発に行われており、健康増進拠点にもなっている。大規模イベント開催や環境教育の発信の場として、地域交流拠点の役割も大きい。

つくば市の高エネルギー加速器研究機構の南側未利用地についての議論が今後大きく注目されているところで、寄付金による資金調達の方法や50年の指定管理者による維持管理業務のノウハウはとても参考になるものだ。

6年前は、300億の運動公園基本構想に反対票を投じた我々だが、その決断は間違ってはいなかったのではないかと思った。もちろん、同じ事例をつくば市で展開することについての比較検証はとても難しいとは思うが、すべてを公共投資として税金で賄う方法以外に、寄付金だけでも、実現できる事例を参考にできたことは、収穫が大きいとも思った。

もちろんメインの民間資本・Panasonic(パナソニック)の実大なる寄付の大黒柱がなければ実現できないことも事実だ。このような事業実現には、実際には多くの困難があったことも聞くことができた。

運営方法についてもまだまだ発展途上のこと。ガンバ大阪が強いサッカーチームとして継続していかなければならないことも、指定管理を運営する上でも、重要なポイントだ。

つくば市でもスポーツ関連施設を「期待を持って、夢を持って作ろうではないか!」と改めて思った。