議会最終日に、「沖縄県名護市辺野古の米軍基地予定地における土砂投入を県民投票まで行わないことを求める意見書」が提出されました。
質疑と反対討論をしました。
内容は、下記のとおりです。
是非、ご一読ください。
質疑
まず、意見書の中に、つくば市の議会での総合運動公園基本計画に関して、住民投票があったことの旨が書かれてあります。しかしながら、つくば市の住民投票と辺野古への基地問題を何か同列に扱っている?論じていることについて、どうも違和感があります。この辺の説明がもう少しお聞きしたいと考えております。
この埋め立て行為については、違法性があるのかどうか?この二点をお聞かせください
2回目の質問です。県民投票については、地元の宜野湾市議会では、県民投票に反対する意見書が賛成多数で可決されました。その反対理由はご存知でしょうか?
また石垣市議会でも10月に同じような意見書が出されて可決されております。その反対理由はご存知でしょうか?
また沖縄県内の市町村で、今回の県民投票を行わないことを表明している市町村がいくつあるか?教えてください。
3回目の質問です。
県民投票を行わない市町村があるということは、県民投票の実効性が損なわれているわけですが、これについての提案者の意見を聞かせてください。
また、この問題の本旨は、普天間基地の固定化が問題になっていると思います。世界一危険な基地だということ。この危険性の除去が問題の本質だと思います。
提案者は、問題の本質の一番の解決方法は何だと考えておられるのか?お聞きします。また、現在、政府が行っている埋め立て行為については、違法性があるのか?
反対討論
まず、意見書案の提出の理由の中に、先ほど、質疑でも述べたとおりに、つくば市の住民投票の記載がありました。「主権者は市民であって、その信託によって地方自治は行っているという自覚に基づいて云々」
しかし、つくば市の総合運動公園基本計画の住民投票と辺野古基地の問題を同列に論じることは、問題があると考えます。
他方、国家の安全保障、外交に関する政策は、日本国全体の問題であり、政府が一元的に権限を有しています。自治体ごとの住民の様々な意見や判断が優先されれば、我が国が直面する安全保障問題や外交問題についても交渉も解決も不能となり、国家は機能しなくなります。
また県民投票についての実効性が疑われる状況にもあるわけです。宜野湾市議会の県民投票に反対する意見書案の反対理由は、「普天間の危険性の除去について」明記されていないからです。このように県内の市町村の6~8市町村が県民投票を行わない可能性があるわけで、県民投票の実効性はかなり疑わしい限りであります。
普天間基地はあの戦争の最中で、沖縄が占領された直後、日本本土への攻撃拠点としてアメリカ軍が建設した滑走路から生まれました。戦後に、飛行場周辺に民家が建つようになり、結果的に市街地の真ん中に滑走路が存在することになってしまったわけです。
普天間飛行場の辺野古移設をめぐる問題の原点は、市街地に位置し、住宅や学校で囲まれて世界で一番危険と言われている普天間の危険性を除去するためであります。我が国を取り巻く安全保障環境が一層の厳しさを増す中で、普天間基地をこれ以上放置できない。日本国民の生命財産を守るために、早期移転が必要と考えます。
補足しておきますが、埋め立ての違法性については、総務省の国地方係争処理委員会に翁長知事の平成27年審査を申し出て、県側の申し立てを棄却しております。今回も同様の結論になる公算が大きい。違法性の立証は難しいものだと考えます。
政府の対応については、マスコミ各紙は、批判的な論調を繰り返しておりますが、10月以降、沖縄県側の対話要請に応じて、安倍総理が2回、じゃばな副知事と共、杉田官房副長官が4回にわたる集中協議に臨んでおり、粛々と法に基づいて、普天間移設に対する必要性と正当性、必要な情報提供は行っていると考えます。
沖縄県知事の玉城デニー知事は、撤回の効力復活を求めて最高裁に提訴する選択肢を述べておりますが、こんな係争を繰り返すと長期化になり、争いをすること自体が、普天間飛行場の固定化になってしまう。
最後に、2月に行われた名護市長選挙では、移設反対派の稲嶺進 氏が敗れました。当初は、6割以上は、移設反対がとされていただけに、移設容認の渡口(とぐちたけとよ)氏の当選は驚きでした。しかしながら、渡口氏を当選させた人の多くの人々は、反対意見だとの調査結果も出ています。地元の方々の本音は、「反対だけれども地元の経済など衰退などを考えて、容認派の人に投票した」。複雑な地元の方の市民感情が感じられます。
このような地元の市民の方々の感情や国会の大きな外交政策に関することについては、つくば市議会では、慎重に見守るべき状況だと考えます。
以上のような理由により、この意見書の反対討論といたします。