9月議会を終えて(長文で、必読!)

9月議会の展開を説明してみます。(長すぎで、途中で、飽きちゃうかたは、ごめんなさい)

まず一番の大きな案件は、水道料金の改定案。昨日の採決では、全会一致で何の問題もなく可決した。

私のSNSなどでも再三にわたり、取り上げているテーマ。結果だけを見れば、いとも簡単に可決してしまったように見える。しかしながら、私としては、執行部提案の21%の値上げ幅案よりも、前市長の時の水道事業審議会で提出された答申案(値上げ幅38%)のほうが、安定的な財源を確保できると考えていた。

実際に、議会に提出された案は、21%の案。これに対して、私自身は、不満があったので、38%の答申案を、修正案として提出することができないか?考えていた。

当然、議会は過半数を確保しなければならない。私と考えが同じ答申案に賛同していただける議員が過半数以上いれば、答申案が可決されるわけだ。心当たりの方に、接触を図り、票読みをいろいろしてみた。しかしながら、どうして私の考えていた答申案では、過半数を確保することができない。また、一方で、議決で過半数を確保できなくても、負けることが分かっていても、自分の意思表示を明確にするために、修正案として提出することも選択肢にあった。

結局のところは、修正案を提出するまでに至らなかったわけだが、私の考えでは悩んで選択した結果だ。

下記は、今回可決された案と答申案の比較だ。前にもアップしたが、是非、もう一度参照して頂きたいと思う。

また、「北朝鮮に対する抗議の決議」に対しても、結果的には、全会一致になった。しかしながら、それは政治的な駆け引きで全会一致になったということだ。当初、私の決議文の中には、「さらに強い圧力」という文言があった。これに、市民ネットワークの方から、表現が強すぎるのではないか?という指摘があった。私自身は、妥協の余地がなく、「異論があれば、反対されたら良いのではないか?」と多少、突っぱねたが、塩田議長より、『「対話の解決はもちろんのこと」という文言を追加することで、全会一致になる。相談できないだろうか?』との仲裁案の相談があった。私も、妥協はしたくなかったが、つくば市議会の決議としては、やはり全会一致を目指すべきものと考えて、塩田議長の相談に答え、文章を修正して、決議案を完成させた。

水道料金改定の議案も、北朝鮮に対する決議も、全会一致。市民の皆様には、全会一致だから、議会では、何もトラブルもなく議論が進んでいるという印象も持たれると思うが、全会一致の議会の中の真実の議論の中には、議員各位が思ういろいろな主張が、多くぶつかったり、意地のツッパリあいもするし、相談したり、折衝したり、妥協したり、このようなことを行っているのが事実だ。

最後に、入札制度の決議文も提出された。提案者は塚本洋二議員だ。

これは、つくば市の入札制度のここ数年来の問題点の中に、競争入札ではあるのだが、落札候補者が同じ金額(同札)で、電子くじ方式にて、落札業者を決めている事例が、多くなってきている問題が背景にある。
五十嵐市長および執行部は、これを受けて、8月に、つくば市入札制度の方針(案)を、議会全員が参加する全員協議会を開催して、議員に説明をした。

担い手3法(改定建設業法、品確法、改正公契約法)を受けて、地場産業育成と受注者に適正な利益を確保する方策を、主に取り入れたものである。

この発表された入札方針の案に、たいして、さらに公平公正な入札をするために、塚本洋二議員が「ランダム係数表を基にでた数値と最低制限基本価格を掛けて算出された金額」で落札者が決定される方式を採用するべきだとする決議内容だ。

つくば市の現行の方式は、電子くじ方式だ。電子くじ方式は、電子入札システムに組み込まれているものであり、応札者が入札時、入札金額のほかに入力する3桁の数字を利用し、定められた計算式を基に、コンピューターが自動計算したうえで、落札候補者を決定するために、人的な行為が入る余地がなく、現段階では、透明公平な方式である。

一方で、ランダム係数方式は、電子入札システムとは別のシステム(最低制限価格自動計算システム)により、無作為(ランダム)係数を決定し、同時に自動算出される最低制限価格とともに、電子媒体などの保存のうえ封書をしており、開札時に、その電子媒体からデータをパソコンに読み込み、確認し開札を執行している。

電子くじ方式にしても、ランダム方式にしても、それなりの特徴がある。また、メリットもデメリットもあるのが事実だ。私自身も今回の塚本議員の提案に対して、特別な反対をするものではないが?!もう少しランダム方式のメリットとデメリットを議論する必要があるのではないかと?考える。

ランダム方式のデメリットは、最低制限価格を決定するにあたり、中央公契連モデルの算出基準は、当該契約の内容に適合した履行がなされないこととなるおそれがある価格としての設定になるため、これを下回る価格を最低制限価格とするのは、価格設定根拠として整合が図れないと思われる。本来、制定制限価格とは客観的に設定されるものであり、落札者の価格を上下動させて無効か有効化の判断を変えるのは問題があるのではないか?という疑義なのだ。

適正な積算見積もりを行った入札参加者に、さらにランダム係数を予想させ、それを乗じて入札価格を決定することは、適正な積算見積もりを行った後は、運に任せることになる。
これが公平な入札方式なのか?また応札した全社が失格になるケース、つまり全社失格の不調になる可能性もあるわけだ。

そしてさらにランダム係数を採用する場合は、契約担当者(市の職員)の人的行為が発生するために、価格操作などの疑念が抱かれる可能性は高くなるわけだ。これもデメリットだ。

今回の決議に対して、私は塚本議員にこの電子くじ方式のメリットデメリットは?ランダム方式についてのメリットデメリットを質問したが、提案者の方は残念ながら、この問題に対しる専門的な見識は、お持ちでならなかったわけだ。説明できなかったわけだ。

また担い手3法(改定建設業法、品確法、改正公契約法)の『歩切り』に当たるわけだ。これは、違法性も疑義が生じる可能性もある。

このように、提案者の主張は理解できるものの、もう少し議論をする時間を与えて決議するべき問題だと考える。ましてや提案者のこの問題の認識もあまりにも甘いと感じざるを得ない。

ちなみに、ランダム係数方式を採用しているのは、茨城県、水戸市、土浦市、石岡市、かすみがうら市、つくばみらい市。

あえて苦言を申すが、今回、この決議に賛成された方は、普段は、多くの議論を重ねるべきだ!とかいう方が多いのだが、今回は、あまりにも拙速な議決の行動をしたような印象を受ける。入札制度は意外と奥深い。繊細でデリケートな環境がある。そのようなことをもう少し賛成された議員は、知ってほしいと感じた。

結果的には、私は、この決議に対しては、反対討論をした。もう少し慎重なる議論が必要なのではないかと?