水道事業についてー2

続けて水道事業についての疑問点とその背景をお知らせしよう。

 

  • それでは、なぜ、このような経営状態を今までずっと続けてきたのだろうか?

 

  • これには、今までの市長も、市民負担増の「値上げ」に関しては、政治的にも極めてデリケートな事案のために、慎重になっていたともいえるだろう。逆に、経費削減を優先して取り組んできたともいえる。経営努力をしないで、簡単に「値上げ」をするわけにはいかないし、市民が納得しないとの判断だったともいえる。

 

  • 事実、つくば市の水道料金の徴収方法は、2か月に一回だ。他の近隣市町村は毎月行っているが、それを2か月に一回にすることで、徴収コストを削減しているわけだ。他にも人件費を減らすために、人員を最小限に抑えてきた。しかし、これには技術者部族による維持、管理などに当然として、しわ寄せがきている。水道事業の専門技術者も市役所の職員として、しっかり配置しなければならない。また、その人材を育てなければならない。経費削減により、人員削減は、逆に言えば、専門技術者の育成や維持管理という点を鑑みれば、簡単に削減すればいいという問題ではないはずだ。むしろ、必要な専門人員は、逆に、増員しなければ、技術継承が行われない問題も出てくる。

 

  • 安心した水質確保や、今後、ハード面(水道施設の老朽化による)の更新費用などもかなり嵩んでいるわけだ。その経費を確保するためには、財源は必要になるわけだ。

 

  • しかし、この逆ザヤ状態を続けている限りは、財源確保は、積立金を取り崩すか?一般会計からの繰り入れを増やすほかに方法はないわけだ。

 

  • 茨城県の受水費を下げてもらう交渉をするという方法は?これは、五十嵐市長も当選後に再三にコメントしていたが、あまりにも非現実的な話だ。茨城県は、今後、ダム関連の負担金が増える見込みがあり、県水道局と交渉するとしても、「値下げ」をお願いにいっても、逆に、「値上げ」をお願いされるような始末になると思われる。

 

  • 実際に、3月の私の一般質問でも、市長は茨城県の事前交渉についても「難しい」との見込みのコメントを議会で答弁している。

 

  • つくば市には、まだ水道が引かれていない地域、いわゆる未整備地区が多くある。この未整備地区からは「早く水道を引いてほしい」と多くの要望もある。

 

  • 3月の議会でも「未整備地区の要望」を強く訴える請願も、議員の全会一致で可決されている。

 

  • 老朽化対策も深刻だ。実際に、漏水による緊急復旧作業は年間を通してかなり多いのだ。市内の水道施設の耐久年数も多くの更新時期を迎えているのだ。この面の更新の財源確保も今後、しっかりと確保しなければならない。

 

  • 料金改定の「値上げ幅」についてだが、水道部の説明によると、答申案は、これまで2年間で9回にもわたり、丁寧に市民の有識者もいれて、審議を繰り返してきた結果ともいえる。

 

  • 五十嵐市長は、「値上げありき」の答申案だと表現したが、これについては、私の認識とは大きくことなる。もともと審議会は、適正な経営改善を図るためのもので、値上げありきという表現よりも、元々、料金の逆ザヤ現象と一般会計からの繰り入れは、あってはならない状況だったはずだ。「値上げありき」の答申案だと表現するのは、認識違いも甚だしいと感じている。

 

  • さて、最終的に、議会に料金改定案が提出しない限り、この問題は解決しない。通常、議案の提出者は市長だ。しかし、今回のように、提出に時間がかかったり、適正な上げ幅を確保しないようは案だった場合は大問題だ。私は、議員提案という方法もあるのではないかと?考えている。

 

  • 市民に負担を強いるような発言は、自分もしたいわけではない。値上げ反対論者は、「市民の意見を聞くべきだ」というが、しかし、この市民の意見を聞いてきたがために、いつまでも料金改定もできずに無責任な経営状況に陥ってしまったといえるのだ。市民の方には申し訳ないが、これをいつまでもやっていては、適正な経営改善などできるわけがないのだ。

 

  • 市長や執行部だけを責められない。議員とて同じことが言える。選挙や市民に批判をされたくないから、事実を伝える努力を怠って、この問題を引き延ばし続けてきた責任は、議員にもあるのだ。政治家の体質改善も合わせて取り組まなければ、この料金改定の英断は下せないと思います。

 

以上が、私の意見だ。3月議会の一般質問をぜひ、閲覧していただきたい。市民の方々にも正確にこの問題の本質をお知らせしたく、再度、SNSにての解説をさせていただきました。

文責  五頭泰誠