タモリさん

やはり「笑っていいとも」が終わって、時代の流れの変化を感じる。今は、子どもたちに「テレビばかり見ちゃダメだ!」などと親として怒っているが、正直、私が小学校から中学校、高校まで、自分自身は、かなりのTVっ子だったことは、言うまでもない。
とくに、ドリフターズの「8時だよ全員集合!」から「俺たちひょうきん族」などは、私の世代の青春時代だ。
真夜中の藤本義一さんの司会の「イレブンPM」を親に内緒で見るのが、妙に楽しみだったことを思い出す。
意外に好きだったのは、大橋巨泉の司会の番組は好きだった。「クイズダービー」。篠沢教授と漫画家のはらたいらさん、女優の竹下景子さんなどが出演していましたね。「クイズまるごとハウマッチ」も石坂浩二、ビートたけし、ケントデリカットだったかな?そんな人たちも出てたね。懐かしい。

タモリさんの「今夜は最高!」もエンターティナーの最高傑作だったと言えよう。

タモリさんの32年間の人気番組「笑っていいとも!」を続けたことの偉大さもさることながら、タモリさんの素晴らしさをTVで一番感じたのは、なんといっても、赤塚不二夫さんの告別式の「弔辞」だ。
(http://youtu.be/EEbcF__-jSo)
もちろんタレントとしての才能は、みんなが認めることであろうが、この映像は、告別式という「笑い」があってはならない場面で、タモリの才能の素晴らしさを感じたものはなかったと思う。約8分間の弔辞の言葉に、一つとして滑舌のミスはなく、しかも手持ちしていたのは白紙の弔辞。あの文章は、アドリブだったのか?丸暗記だったのか?わからないが?これほどまでに、単なる弔辞の中に、芸があり、感情があり、芸術があり、プロフェッショナルがあり、先輩赤塚不二夫に対する感謝があり、笑いがあり、悲しみがあり、人間味があり、タモリさんの才能がこれほどまでに表現された映像はなかったと思う。誠に素晴らしい作品(映像)だったということだ。
いつもあるはずのものが無くなるのはとても不自然で、寂しくもあることだが、これも時の流れだ。時間が経てば、また、その無くなったことも自然と忘れていくに違いない。そんな風に時間が流れていく。止まるわけもないわけだ。
私も、いつもあるはずのような人間になれるように、生きていければ、いいなとも思う。