地場産業育成とは?

12月議会では、「つくばウエルネスパーク」の指定管理者・東京都中央区のスポーツ施設運営会社「シンコースポーツ」とする議案を否決した。

 

この議案の反対討論を私が行いました。

 

指定管理者制度は、民間企業のノウハウを最大限発揮して、行政による市民サービスの向上と合理的かつ健全な運営を民間企業と同様に管理してもらって、市民利用者にサービスを寄与することを目的としている。この指定管理者制度の本旨に基づけば、今回の指定管理者の選定についてのあり方については、元来の方法とほぼ変わらずに、制度上の大きな欠陥はなかったと言えよう。

私が反対意見を述べた主な理由は、やはり「地場産業育成」に関することだ。今回は、応募期間は、7月27日から8月30日までの間で、応募資格者の要件は、市内に主な営業拠点を置く企業(市内本店もしくは営業所)となっている。指定管理候補者の東京の会社は、8月中旬に営業を置き、資格要件を満たしていた。もちろんこれについても何も問題のないことは確かであります。またAは、全国的にもかなりの実績を積んでいるいわゆる大手企業でもあります。ノウハウも確かに抜群と言えるでしょう。実際の審査委員の11名のメンバーの採点表でも、11名がすべてA社に評価トップを与えているわけです。

 

さて、私の反対の理由は、五十嵐市長が選挙公約で掲げていた「地場産業育成」についてでありました。今回の指定管理者を発注する段階で、執行部内で、「地場産業を育成するため」の審査形態は何かないものか?担当および庁内で議論したのか?と問い質したところ、「特別な議論はしなかった」旨の答弁があったからだ。

 

私自身も選挙での主な公約の中に、地場産業育成を訴えていた。地元でできる仕事は基本的に、なるべく地元の会社に仕事をしてもらう。適正な利益を出して、企業として成長してもらって、税金をきちんと納めてもらう。また何か大きな災害などが発生したときは、緊急災害対応にも適切につくば市との連携をしながら、市民の生活と安心を確保することに協力してもらうことが重要だとの認識だからだ。この私の考えと市長の考えは全く一致しているはずなのに、今回の指定管理者制度の審査の時には、この地場産業育成の考え方が、全く議論されていないことに、大きな疑問を感じたわけだ。

 

市長は今一度、この地場産業育成に関して強く意識して、行政運営に当たらなければならないだろうと考える。実際に、私の反対討論に過半数以上の同意を得ることになって、議案自体は、否決となって、今回の東京のA社は、指定管理をすることができなくなった。

議会の議決の重さを改めて強く感じたものだ。

 

また一方で、地元の会社もせっかく行政の方で、地場産業育成に関する発注形態を構築したとしても、この指定管理者制度の審査や、またこれ以外の地場産業育成を盛り込んだ入札制度を発注しても、つくば市の会社が積極的に参加してもらわなくてならない。加えて、地元の会社が落札したとしても、しっかりとして経営に対する自助努力を発揮することが責任ある地元会社としての評価につながるわけだ。

 

つくば市内の仕事を地元の会社がしっかりとして受注して、自助努力によってますますいい仕事ができて、そして、会社がますます社会から評価されるようになれば、大きな成長企業に生まれ変われるはずだと私は信じている。

 

地場産業育成と一口に言うのは簡単だが、行政も地元の会社も共に地元の会社を育てるために、何をしなければならないのか?今回の議決を経て、今一度考えてほしいと思います。

 

ちょっと長文でしかもわかりづらい文章になってしまいました。すいません。あしからず。