水道事業についてのおさらい

ここの数日、市内を散策。いろいろな人と久しく話す機会がある。

水道料金の話題に触れた。まだ水道事業についての理解度はハッキリ言ってほどんど市民に浸透してないと実感。もう一度、おさらいで説明する。

 

  • まずつくば市の水道事業は、茨城県から受水費を払って(約1㎥当たり200円余りで、購入して)、市民から水道料金をいただいている。(約1㎥当たり160円余り。)そう一目でお分かりのように、逆ザヤの状態。これを17年あまり続けている。だから赤字決算になる。

 

  • つまり、毎年毎年、赤字だから、一般会計からの繰り入れ(約4億円余り)と積立金(ピーク時には70億円あまりあったが、現在は、7億円まで減少)を取り崩して、この赤字部分を穴埋めしているわけだ。

 

  • この積立金も平成29年度末には、3億8千万になると見込まれている。

 

  • 来年度(平成30年度)の予算編成が危うくなる事態が目前に迫っている。

 

  • 水道事業は、公益事業だから、一般会計からの繰り入れを行っていることは、財政会計の原理の観点からも、行うべきではない。しかし、つくば市の場合は、一般会計からの繰り入れがなければ事業継続はできない状態だった。

 

  • つくば市の水道事業の経営努力(経費削減など)は、もう限界がきている。

 

  • 昨年までの市原市長の時に、2年間にわたって合計9回の水道事業の経営改善を図るための審議会を開催しており、その結果として、経営改善の提言の答申が提出されている。

 

  • 答申案の中には、水道料金を一般家庭向けには、約38%の値上げをするべき。これにより赤字解消を達成して、適正な経営改善を図るべきと提言されている。

 

  • 未整備地区に対しても投資的資本を積極的にするべきだとも提言されている。

 

  • 議会では共産党案として、値上げはするべきではないとの一般質問が行われている。逆に、一般会計の繰り入れ金額をもっと増額するべきとの意見だ。(要約すると)

 

  • また、一方で、先の3月議会で、私、五頭やすまさが、「料金の値上げ案を議会に提出するべき」との一般質問が行われた。これを受けて、五十嵐新市長は「今までのような無責任なことはするべきではない」と回答。「議会に対して、今年度の半ばを目途に、水道料金の値上げに対する改定案を提出する」との答弁をしました。

 

箇条書きで説明してみたが、こんなところだ。

私の意見は、3月の一般質問で質したとおり、水道事業審議会にて提出された答申案を基本として料金改定案を提出するべきとの考えだ。市民に対して説明もできる。市長は、地下水利用に対する賦課金などの考えを述べていたが、現実的ではない話だと考えている。現在、地下水を利用している人に、賦課金の理解を得るためにどれだけの時間が必要なのか?企業なども地下水を利用しているのも事実だが、企業にも賦課金に対する理解が得られるのに、現実的には、相当時間がかかると思わる。とても現在の水道事業運営の現状を考えると非現実的な話だと考える。もし賦課金をかけるにしても、時間をかけて、地下水利用者の理解を得てからの話だと思う。それ以前に、料金改定を成し遂げなければなるまい。

 

6月議会にも当然、この議論は、展開されるだろう。市民の皆様にも大いに注目していただきたいと思う。