住民投票条例の特別委員会について

平成27年5月8日に「(仮称)つくば市総合運動公園基本計画,及びこれに係る市費の支出の賛否を問う住民投票条例」に関する臨時議会の特別委員会についての議論が展開された。

まずは、結果から先にお知らせしよう。委員会では、➀原案に対して、市民ネットからの修正案➁。公明党からの修正案➂。二つの修正案が提出された。

採決の順番は、最初に公明党の修正案➂を採決。⇒次に市民ネットの修正案➁を採決。最後に修正案の除いた原案➀を採決。以上の3回の採決が行われた。

採決一覧表をご覧いただきたい。

採決予想表

結果のとおり、委員会の採決では公明党の修正案が可決されて、委員会での答えとしては、公明党案の住民投票が行われることを可決したということになるわけだ。

しかし、まだこれで決まったわけではない。表をよく見ると、特別委員会の委員長の金子議員が投票をしていない。つまり、今度の5月12日の本会議では、再度、この公明党の修正案と原案が議決される予定だが、これには、金子議員も加わることになるわけだ。まだまだ本会議では、結果が変化する可能性は大きいわけだ。

さて、議論についてだが、特別委員会での自由討議の時に、挙手して発言をさせていただいた。もともとこの特別委員会の内容が、あたかも住民投票をすることが当たり前のような議論になっている傾向にあると思ったためだ。
「そもそも住民投票をするべきではないという議論はないのでしょうか?」と発言をさせていただいた。住民団体の方や住民投票に賛成する議員の中にも、「今回の運動公園整備事業を住民投票で決めよう!」「議会では決められないから住民投票をするべきだ」または、「住民投票をして答えを出してから、議会で決めよう」という発言が多く出された。運動公園基本計画に反対する議員の中に、この手の論法を多用して住民投票ブームに乗っている傾向は強い。

しかし、3月議会の運動公園関連予算を削除した修正案に反対した私の立場からすれば、そんなことを考えながら修正案に賛成したわけではない。議会は、住民投票をしなくても、今現在は、運動公園関連の予算をストップさせているわけで、ここらへんの捉え方は、私と住民投票賛成議員さんの考えとは、根本的に違う。別に住民投票をしなくても、議会はきちんと機能して是々非々を議論して結果も出しているわけだ。

私は運動公園の基本計画の議論は、引き続き議会で粛々と是々非々を議論すべきだと思っている。つまりそもそも住民投票が必要だとは考えていない。所詮、今回のように、住民投票を賛成する方々は、市民の意見だと連呼していうほど大きくないわけだ。市民の意見の中のひとつの各論に過ぎないわけだ。もちろん11000名ほどの署名が集まった結果は、真摯に議会も受け止める必要があると思うが、基本的には各論に過ぎない。また住民投票という直接参加型の政治手法は、基本的に不公平なのである。

これはもうすでに人類が現在までに至る民主主義の変遷と歴史を鑑みれば結果が出ている。民主主義の基本的なことなのです。11000あまりの意見が集まっても、所詮それは各論に過ぎません。多くの色々な各論が提出されて、選挙で選ばれた議員が議会という舞台で議論をして、出された結果が、民主主義の手続きとして、公平さや確実性が担保された結果になるわけです。

現実的に委員会での私の発言で、「住民投票が必要ではない」という考えの発言をされたのは少数に過ぎませんでした。議決をして反対投票をしても、住民投票が成り立ってしまうということが、今回の委員会での議論の展開により明らかになったわけです。これが現実なんだということが正直な感想です。

自分の投票結果も本当は、市民ネットの修正案自体も反対したいと考えておりました。今でも反対するべきだったと考えております。これについては自分の政治決断に忸怩たる思いがあります。

唯一、原案にだけ反対しただけになってしまったわけです。残念な結果です。

まだ本会議があります。これについては、基本的には、もう住民投票を否決するわけにはいかないわけで、どのようにこの現実を踏まえて行動を取るかになってくるのかと考えております。