6月議会 終了 その2(長文のため)

29日の最終日に市民ネットワークさんより、下記のような意見書が提出されました。結果的には、賛成多数で可決されました。皆様にもご参照ください。

 

モニタリングポストの継続配置を求める意見書

福島県内各市町村の各自治体からはモニタリングポストの継続配置を求める意見が提出されている中、原子力規制委員会は、2018年3月20日、福島第一原発事故後7年が経過したことから、避難指示が出た12市町村以外にある約2,400台の学校や保育園、公園など子供たちの生活空間にあるモニタリングポスト(リアルタイム線量測定システム)を2021年3月末までに順次撤去することを決定しました。

撤去にあたっては、多くの地点で国の除染基準毎時0.23マイクロシーベルトを下回っているとしていますが、福島原発事故の「廃炉」は今後数十年かかる見込みであり、事故7年後の今でも、広い範囲で除染土や除染ごみが仮置きされ、自然災害や火災などで周辺に再拡散する可能性があります。

モニタリングポストは空間線量を可視化して安全を確認できるものであり、その目的が「空間線量の可視化」であることから、この先もいち早く異変を検知し、速やかに安全対策を立てる上で必要不可欠な存在です。とりわけ、学校や保育園、公園など子ども達の生活空間に必要であることは言うまでもありません。

福島県内で「廃炉」作業が行われ、中間貯蔵施設や仮置き場に除染土や除染ごみが存在する限り設置を継続すべきであり、経年変化を記録すべきと考えます。

よってつくば市議会は政府に対し、モニタリングポストの継続配置を求めます。

平成30年6月29日               つくば市議会

(提出先)

内閣総理大臣

環境大臣

原子力規制委員長

復興大臣

 

 

しかしながら、私は、今回の意見書は反対討論をしました。

 

まず、提案者に、「質疑」。

3月20日の記者発表の会見の様子をご存知でしょうか?更田(ふけた)原子力規制委員会委員長と記者の質問のやり取りの中に、今回の意見書に書かれていない見直しの理由が詳細に説明されております。その内容をご存知ならば、説明してください。

 

答弁  内容は見ていない。しかしながら、…・云々。

以上、「質疑」終了。

反対の理由については、次の通りです。反対討論の内容を抜粋して提示しますので、ご参照ください。

 

9番議員 五頭やすまさより

「モニタリングポストの継続配置を求める意見書」に対しての反対討論をいたします。

先ほど、質問をしましたけども

3月20日の更田豊志(ふけたとよし)原子力規制委員会委員長の会見では、

なぜ?今回、見直しをすることになったのか?という記者の問いに対して、

こう答えております。

「そこに住まわれている住人の方々の意見を聞くと、モニタリングポストの表示板があることについて、私自身は、地元の人はポストが『あって欲しい』と思っていた。しかしながら、『あれがあるがために、未だに放射線というものを、日本の全国の他の自治体の放射線量と同じレベルになっているのに、『いまだにここが汚染されている!』かのように思われる。『はやくあれをなくしてほしい』という声が多かった。しかもそれが少数派ではなかった。意外と『あること自体が嫌だ』という意見があった。もちろんすべての方々についての調査はしたわけではないが、・・・。

というふうに述べております。

 

表示型のモニタリングポストは、緊急時にそこの放射線量がどうなっているか?監視するための意味合いではなくて、その地点の放射線量をビジュアルに伝えるだけの役割といえる。そこには放射線を規制することや管理することの目的とは違った見方で、配置してきた。あくまでも原発事故以来、住民の不安を解消する意味で設置し今まで7年余り継続してきた。

しかしながら、そこに住んでおられる住民の意識の変化にも配慮しなければならないという意味のコメントもしております。

 

近隣住民の声は、そこに住んでいる方々が、ポストは『あって欲しい!と思うのか?ないほうが良い!』と思うのか?この判断は、そこに住んでいる判断が優先されるべきものと考える。

もちろん小学校や保育園、公園など子供たちの生活空間にあるポストは、必要だという声はいまだに、大きいわけで、直に住んでいる方々の意見を優先するべきと。

今後も住民説明会について開催していくとの考えも表明しております。

 

意見書に「空間線量の可視化」が安全を確認する目的で、と書かれていますが、今までの方針とは基本的には変わりはないことは、更田委員長の会見でも述べています。

また7年間設置してきたポストの役割や評価については、詳細に述べています。現在の放射線量はどうですか?と行政が聞かれれば、ホームページを見てください。という説明をするよりは、その地点で放射線量をビジュアルで表示されていることについては、安心感があったと述べています。しかしながら、現在は、そのポスト撤去についての地元の意見を聞けば、色々な意見があり、意見は多く分かれることは予想されます。一つの設置地点の例えば小学校エリアの地元意見をだけでも、意見がわかれることは予想されます。まさにそこに住んでいる方々の意見を優先させるべき、そして議論を深める意味でも今回の見直しを発表したと。

 

本当の復興や安全を考えるうえでも、そこに住んでいる意見をくみ取る意味では、今までは、常識化していた住民の意識や意見、もちろん違う意見も政策に反映することは、また細心の周囲をはらうことは、多くの民意をくみ取ること、とても重要なことだと思います。

今回の意見書には、更田委員長の会見で述べられている「まさにそこに住んでいる住民の判断」についての意見についての考えが、欠如していることについては、私個人的には、残念であると考えます。今回の意見書が今回のモニタリングポスト見直しの背景を正確に把握しているとは考えられないと思います。

 

福島県に住む人々の放射線に対する考え方は人それぞれで複雑なものがあります。地元の方々の判断を静観して、地元の方々に議論に、つくば市議会が決議をすることが果たして、本来すべきことなのか?このようなことを考えると今回の意見書に賛成することはできないと考えるわけです。

 

以上のような理由を考えて反対討論といたします。(五頭やすまさ)

 

もともと今回の意見書については、公明党や他の会派もだいたい賛成に流れるような様子だったので、議決では、反対では負けることは予想していた。議会ではよくあることだが、「負けるとわかっている」と反対しない場合もある。しかしながら、今回は「負ける」とわかっていても、その理由は議会の場で、述べるべきと考え、反対討論をしました。

 

またまた長文になり、ご容赦ください。しかしながら、議会の様子をこのようにSNSを活用して、一般市民の皆さんにお知らせできることは、是非は別として、良いことだと思います。私の考えにもちろん反対の意見の多いことももちろんですね。多くのご意見を頂ければ幸いです。