3月議会閉会。SGDs の決議について

つくば市政にSDGs(持続可能な開発目標)の理念を反映するための
取組を求める決議

 2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアム・サミットにおいて「国連ミレニアム宣言」が採択され,この中で,世界の貧困などの撲滅を目標とし,ミレニアム開発目標(MDGs)(8つの目標)がまとめられた。その達成期限である2015年を迎えるにあたり,次の目標に関する議論の中で,「持続可能な開発目標」として2015年の9月の国連サミットにおいて全会一致で採択されたものが,SDGsである。ミレニアム開発目標は,主に発展途上国の貧困解消を目標としていたが,SDGsでは,発展途上国の貧困解消のためには,世界的な気候変動や海,水の問題など包括的な問題を解決することが大切であり,途上国だけでなく,先進国,民間企業,NGO,自治体,個人などすべての関係者が対象となる問題解消の枠組みを構築したことが特徴であると言える。SDGsは,法的拘束力はないものの,17の包括的な目標と169のターゲットがあり,その下に230の指標がある三層構造となっている。
 日本政府は,SDGs関連として,9億ドルの支援と30億ドルの取組,日本円にして合計約4,000億円を投資すると表明しており,これまでの取組を改めてSDGsの枠組みに整理するなど,その重要性を世界に明確に発言している。
 つくば市としてもSDGsに関する勉強会やフォーラムの開催を通して,SDGsの理念がつくば市の持続可能なまちのあり方と一致することを確認してきた。今後は,SDGsを活用し,包摂的な社会の実現や持続可能なまちづくりを進める人材の育成,科学技術を取り入れた課題解決等に関する取組を市民,議会,行政等が一丸となって行うことが必要である。これらのことから,つくば市には,今後,SDGsの理念をつくば市政に反映するための取組を進めることを求める。

以上決議する。

平成 30年 3月 16日
つくば市議会  提案者:五頭泰誠

捕捉説明

3月議会が閉会した。平成30年度予算を審議するこの3月議会では、五十嵐市長のSDGs(持続可能な開発目標)に対する取り組みについての熱意を強く感じた議会でもあった。
今回は、最終日にSDGsの決議を私が提案したわけだが、市長の「持続可能な開発の社会」についての捉え方は、貧困の問題に強く関心がある。議会でも、貧困者問題を解決したいという意気込みが顕著にみられる。議会での答弁でも、つくば市でも約1,000人の貧困者がいると答弁した。もっともこの貧困者は就学支援を受けている家庭やひとり親家族などが対象らしいが。これについては、先日、議会で答弁することの不可解さをSNSでも述べさせていただいた。心配な懸念もある。

私が捉える持続可能な開発の社会とは、少し説明したい。

持続可能な開発の社会は、実は、日本は最先端をいっていると考えている。これだけの少子高齢化社会で、しかも経済は発展させて皆保険制度も維持しつつ、社会保障制度も整備しながら、続けている。高齢化はさらに進行形で進んでおり、世界中で、どこの国もやってことのない社会の実現に挑戦し続けていると感じている。私事で恐縮ですが、丹羽雄哉代議士に従事していた時が、介護保険制度や後期高齢者医療保険などが始まった時期でしたので、そんな思いがあります。当時も法律制定ではかなりの批判を受けたが、現在では、介護保険制度また後期高齢者制度も20数年を経て、国民生活に定着しつつあり、介護保険なしでは、老後の生活設計を組み立てできないのが現状なのではないだろうか?あの時の批判を耐えても、法律制定に尽力した当時の政府与党及び内閣(小渕・森内閣?!)の決断は歴史的にも評価されるものではないだろうか?
話は少し反れたが、最近、TVで「Youは何しにニッポンへ」という番組では、普段何気なく行っている日本の生活習慣や文化、芸術の分野に、外国人が日本にやってきて憧れの夢を体験して、日本のすばらしさや感動を伝える番組だ。
日本のすばらしさを世界の人が認めているわけだが・・・。実は、現代の日本人がその素晴らしさに、一番気づいていないということが言えると思います。今回のSDGsの提案理由の大きな理由の中で、日本人が一番、大変なことをやっているのに、気づいていない。自負もない。誇りを感じてやっていないということにむしろ問題があるのではないか?と考えている。

ここに一つのデータを紹介しよう。日本経済新聞の20数年前からのデータで、新設法人8万社の存続率。1年後には、60%。10年後には、5%。10年続く会社は、20社に1社しかいなかった。最近のこの傾向は強く、日本の企業もどんどん生まれては消えている。最近は、意図的に会社を作っては潰しているが、これが本当の経営なのか?考えさせられる。持続可能な開発の経済活動とは何か?見直しが必要である。
一方で、他の文献が気になったのでそれもご紹介したい。2016年の韓国銀行が調査して発表したデータなのですが、2008年時点で、世界で200年以上の歴史を持つ老舗企業は、世界41か国で、5,586社。そのうちの3,146社(56%)は、日本の企業。次は、ドイツが837社。3位がオランダ222社、4位がフランス196。世界のアメリカは、14社。中国は9社。これをみると老舗企業大国の日本のすごさを感じます。
このデータによると世界最古の企業は、578年創業の金剛組という大阪の会社です。2番目は、山梨県の西山温泉の慶雲館という旅館。1500年以上も続いている企業が日本にあり、世界の超老舗企業の上位を日本が独占しているというわけです。
さらに解説は続いて、これらに共通していることは何か?と調べてみると、長寿企業に共通しているのは、『家訓』や『理念』がしっかりと受け継がれているということ。そして、後継者を育てることを大事にしてきたからこそ何代も続くことができたのです。1代の社長の平均在任期間は、28年間ということらしいです。
さきほどの日本経済新聞の会社の存続率の記事にも「これら多くの会社が続かなかった理由を精査すると、やはり『確固たる理念がなかった』というところに行き着きます。今後ますます、老舗企業の“持続可能な経営”の秘密を学ぶべき必要性が出てくると思います。
これは、3月の国会でも麻生太郎財務大臣が答弁している内容でもありました。

私がこの記事で感じたことは、SDGsで言われている「持続可能な開発」を実は、長年、我々日本人がやっていること、なのではないかと?考えたのです。それは、企業活動であり、行政機構であり、我々が、意外と当たり前のようにやっていることが、実は、他の国から見たら、ものすごくレベルの高い素晴らしい理念のもとにやって、持続可能な企業活動や行政運営などが、行われているのに、実は、日本人は、自分たち自ら、評価と再認識をしていないのではないかと考えたのであります。
今回、私が提案する最大の理由としては、国連がやっているから?日本の国の方針としても、始めたから?というわけではなくて、逆に、今回提案するSDGsの取り組みをすることは、つくば市の行政や企業や地域活動は、全国にも世界にも誇れる活動なんだ!ということをつくば市民、我々議会が、市民の皆さんに自ら、感じてもらうためにも必要なことではないかとかんがえたわけです。
 五十嵐市長のSDGsの考え方と私の考え方とは少し相違があるかもしれない。どちらにしても、絵にかいた餅であってはならない。現実的に実効性のある活動が必要だ。この辺を間違ってはならないとも考えています。

家に帰宅したら、資格者証が届いていた。