行政視察第3日目。日南市の油津商店街再生事業

2月3日(土曜日)
行政視察第3日目。日南市の油津商店街再生事業。
日南市は人口約54,000人の小さな地方都市。カツオの一本釣り漁では日本一。廃業による空き店舗や大型スーパーの撤退により、商店街再生が大きな課題だった。
きっかけは、2011年に33歳の若い市長が誕生。月額90万円のテナントミックスサポートマネージャーを全国に公募。333人の応募の中から9名の選考。商店街再生のために、20店舗の誘致ノルマを与えた。各種メディアでも紹介され大きな注目浴びるようになる。
喫茶店を改修したカフェ「ABURATSU COFFEE」の開業を皮切りに、並行して㈱油津応援団を設立。モール整備や飲食店を中心に事業展開をスタートさせる。地元からも期待の声が上がり、一口30万の出資を募り、合計1500万円もの金額が集まった。飲食店を中心に若手の地元の起業家が出店することになっていった。
またかねてから若者が働きたくなる環境をつくるために、IT関連企業の誘致にも乗り出した。2016年にサテライトオフィスが商店街に誕生。今までに約10社の企業が進出した。これで若手の働き手が増えるきっかけになった。商店街の中にも、保育園も作るまでに至ったとのことだ。

日南市は長年広島カープのキャンプ地に利用されている。油津商店街とキャンプ地の休場は徒歩で5分ほどの場所。昨年のカープのリーグ優勝などの影響もあり、優勝パレードなども行った。今までも、カープとの交流事業、また「油津カープ館」を利用して球団との交流の歴史を発信するなど様々な事業を展開している。

研修の講師を務めていただいた㈱油津応援団 代表取締役の黒田泰裕さんの話はとても自信にあふれていた。他にもここでは紹介できないほど、多くの成功事例を聞かせていただいた。安倍総理の談話でも地方再生の事例として油津商店街の話を総理総裁がTVで紹介したそうだ。
黒田氏の最後に話の中に、地方創生は人口減少とどのように戦うのか?商店街のための再生事業ではなくて、町の未来にとって意味のある商店街の姿をどのように描くのか?と話されていたのが印象的でした。
最後に、黒田氏に広島カープのキャンプ地に連れていかれました。ちょうど商店街からキャンプの野球場までを広島カープの赤の色を選んで、球場までの遊歩エリアを道路に整備したそうで、横断歩道まで赤で塗ってしまったそうだ。ちょうどビートルズの「アビーロード」のように、観光客が写真を撮ることが流行りになっているそうで、我々も記念撮影に撮っていただきました。かなり面白い写真になったようです。
つくば市は、商店街がないと言ってもいいくらいだ。科学の町のつくば市はもちろんつくば市を特徴づけるメッセージコピーだが、つくば市に欠けている部分が何か?大きく考えさせられた。「商い」というこの言葉を繰り返し感じた。つくば市にこれから必要な言葉なのではないだろうかと思いました。