天皇退位特例法 成立

天皇退位特例法が成立

天皇陛下のお言葉から10か月を経て、ようやく国会で特例法が制定された。マスコミ報道などでその間に、いろいろな議論がされているようだが、論点を明確化して、基本中の基本だけは確認しておく必要があると思った。

 

皇室典範では天皇は終身在位が原則で退位は認められていない。務めを果たせない場合は『摂政』を置くことが本来の考え方。今回の特例法で終身在位の原則を保ちつつ、特例で退位を認めるという落としどころを着けたのは現実的な対応だったと思う。

 

また皇位継承に関する問題で、『男系男子』を如何に引き継いでいくのか?皇室の宮家減少問題の認識。安定的な皇位継承を国民的な良識ある議論にすべきだ。

 

民進党などは、『女性宮家』の検討で評価をしているようだったが、宮家の減少に歯止めをかける問題解決にはなるが、基本的に天皇の皇位継承については『女系天皇』を容認する流れを作ることになる。ありえない話だ。

 

天皇が天皇である由来は、男系の男子が原則だ。次の表を見てほしい。

※なお、表は「日本の万世一系と世界の王室」より抜粋したものです。これをみると、如何に日本の天皇家(皇室)が、世界的にも希な家系かがわかる。まず代数:125代もちろん世界で第一である。しかも日本の皇室の場合は、途中で王朝交代や断絶がない。またこれに男系継承。そしてまたこれに紀元前に及ぶ神話にルーツがある。

 

天照大神は女神。女性から始まって、その後は男系男子が綿々と125代も続いていることに面白みと歴史の深みを感じることができます。昨今では、いわゆるTV番組などでコメンテーターの中で、現代の男女平等主義という論客の中には、『天皇制は女性を蔑視する典型だ』との意見を主張する人がいますが、実際は、全く逆で、皇統を続けるために『男性』(権力者などから皇統継続を守るために)を排除してきたわけです。逆に見れば2,000年以上『女性』を民間から受け入れてきたわけです。「女性蔑視」などと主張する方の天皇家に対する認識は見当違いも甚だしい。女性を受け入れることにより、よりその時代に合った文化や新しい習慣を受け入れてきたということでもあるわけです。

 

日本と他国との違いは、シラスとウシハクの一言で表現できます。

 

古事記や日本書記に記されている国を治める事の言葉に『ウシハク』と『シラス』という言葉が出てくる。どちらも「統治すること」の意味です。違いは、天照大御神や天皇が統治する場合は『シラス』。天皇は、民の心によく耳を傾けて現状を知り、民の心を自分の心として民の幸せを祈り願う、そして統治することが『シラス』になります。

一方、豪族が戦を繰り返して、力を背景にして統治する意味合いがあるのが『ウシハク』となります。

同じ統治する言葉でも意味合いがまったく対照的で、内容も全然違いますね。

もちろん日本のあるべき姿は『シラス』であり、他の国の統治の方法は『ウシハク』ということになるでしょう。

日本の統治の仕方は、わかりやすく言えば、二段構造にある。上段に天皇による統治の形があり、その下段に戦や政治力などの力で、権力を得たものが統治する。国民にはあまり大きな被害を与えなくて済む。しかしながら、他国は、常に権力者同士による覇権争いで勝ったものが統治する。ゆえに国民はその争いにより、いつの時代にも多くの命を落とし被害も甚大だった。国民に被害を与えることになる。日本の方が国民に甚大なる被害を与えずに済むことができる統治の仕方なのだ。

これが日本と他国の統治の仕方の違いなのであろう。

日本の統治は天皇が統治する。しかしながら政治力や権力者ではなく、皇位継承者としての条件で統治者としての天皇が成り立つ。力のあるものが簡単には日本の国を統治することができないようになっているわけだ。

天皇が天皇である所以は、男系男子でしか天皇にはなれない。ということを国民みんなが共有して理解して、2,600年余りこれが綿々として続いていることを今、一度、理解する必要があるのではないかと思う

 

10か月前の天皇陛下のお言葉により今回の天皇退位特例法が成立したが、これを機会に、今一度、日本の歴史と統治の仕方が、他の国とどう違うのか?日本の特徴はどういうものなのか?国民的に議論にしていければいいのではないかと思います。そして、これは大変な皇統を持っていることを日本人が、今一度、自覚しなければならないことですね。日本のこの皇位継承の伝統を守るためには、今後、どのような議論が必要かは自ずとわかってくると思います。

 

私は、男系の男子を継承するために、戦後、皇籍離脱をした旧宮家を復活することを真剣に検討するべきだと思います。

 

 

相変わらずの長文、わかりやすく書いたつもりでも、結局わかりくにくいかもしれません。反省反省。