常磐大学 ゲストスピーカー

昨日は、常磐大学へ。

「地域政策Ⅱ」および「学びの技法Ⅱ」(合同開講)の授業で、ゲストスピーカーとして、お招きをいただきました。

内容は「地方自治の充実のあり方~『地方議会の役割』『住民投票への認識』を中心として」がテーマでした。昨年のつくば市の住民投票の実例もあり、学生との意見交換がメインでした。

阿見町町議の海野 隆氏、笠間市議の菅井 信氏も参加。

昨年の住民投票は、約12,000人弱の署名が集まって住民運動が発展した結果、議会でもその市民運動の結果を受けて、住民投票の実施ということになりました。住民投票のシンポジウムでも、住民投票の市民運動を推進した方々のお話を聞くと、つくば市の事例は「市民運動の成果」として、「民意」を問うための非常に大きな出来事だったと絶賛をしていた。

しかし、私は懐疑的にみている。比較の仕方はいいのか?どうか?わからないが?例えば、約12,000人あまりの署名を議員の数と比較するとつくば市の場合は、一人2,000票で当選するとすれば、6人の議員数だ。つくば市の議会では、定数28に対して、過半数で議決するわけだが、6人の議員数だけでは、到底、議決する条件は満たされない。しかし、住民投票では、その6人の議員数の同意に対して、ほぼ同じ効果として、政治的な結果を住民投票という行動へ変換して、成し遂げたとみなすことができる。

実際の住民投票の結果は、投票率は47.3%で50%をわずかに切りましたが、「総合運動公園建設の是非を住民投票で問うつくば市民の会(住民投票の会)」が呼びかけた「基本計画に反対」が63,482票で、「賛成」15,101票を大きく上回り、得票率は実に81%でした。

私は、議員の立場で見るので、そんなことはあり得ない話なのだ。つまり住民投票が本当に「民意」を反映することなのか?冷静に見れば、大問題なのだ?!6人の議員数と同じ民意だけで、つくば市の民意を「議会」では、過半数以上で、6人だけの数では決められるわけがないのだから。

住民投票のシンポジウムで住民投票推進派の方に、私はこのように質問した。「住民投票の運動を血眼になって、全精力をかけて運動をされたようですが、その政治的パワーを、皆様方の代表者を輩出する、つまり「議員」を誕生させるパワーに変換できないのでしょうか?」と。なかなか期待通りのお答えは、聞こえないようだが・・・。

学生さんたちも専攻していることもあり、住民投票への認識は否定的な学生さんもいると感じた。

議会制民主主義の問題は、議員選挙などの低投票率により、本当に「民意」を反映しているとは言えないといわれるが、確かにその事実は私も否定はしないし、問題だといえる。その問題を解決するのは、やはり、議員の普段の政治活動しかない。行政についての事実をしっかりと市民に、自身の政治活動の中で、説明して積極的に広報するべきなのだ。いちばん、議員が説明することが効果がある。

そんなことを考えながら、11月の選挙を控えて、自己を戒めた大学の授業でした。

久しぶりの長文で・・・かしこかしこ。

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