住民投票の署名が提出された

住民投票の署名がつくば市の選挙管理委員会へ提出されたようだ。

さて、私自身も大変、関心が深い案件であることは、Facebook にも、何回も掲載させていただいたが、今回の提出を受けて、つくば市議会にも近く住民投票の是非を問う条例について、協議されることになる可能性がかなり大きくなったと言えよう。
基本的には、私は、住民投票については、反対である。これは、地方自治の中にひとつの流行りのように、日本各地で住民投票が行われた事例はあるようだが?その結果を見ても、また、その意味をよく考えてみても、住民投票が本当に真の民意を公平に判断する政治的行動なのか?疑問を感じざる負えない。

今回も議会に提出されれば当然に条例を是非とすることを議会で決めることになる。一連の流れは、次のようになる。
(ウィキペディア引用参照)
地方自治法の第5章第1節(第74条)では、条例の制定の直接請求について定められている。この規定に基づき、住民投票条例の制定を請求するケースがある。請求するには、有権者の50分の1が必要となるが、条例を制定するには、議会の同意が必要となる。なお、条例そのものを住民投票によって制定または改廃することは現行法上認められていない。
また地方自治体自らが住民の意思を問うために条例を制定する場合がある。

先般、与那国町の陸上自衛隊配備の賛否を問う住民投票があった。これは自衛隊配備の賛成派と反対派による政治抗争が起こり、賛成派の町長に対抗して、議会で反対派が多数を占め、住民投票を誘導し可決して行われたものだが、結果は「賛成」が632票で「反対」の445票を上回った。反対派は住民投票すれば勝てるとの見込みで、住民投票を行ったものだが、結果はその見込みとは逆の結果になった。

住民投票は法的拘束力はない。一方で、その時点での一定以上の住民の意思が確認できる。往々にして、政治抗争に利用されることも多々ある。地方分権や地方主権が流行りのように謳われる中で、地方自治体でも「住民投票」なるものが如何にも、政治手法として、「当然意義あるもの」との認識が広がっているようでもあるが、その実態や結果をよく考えると、本当に公平さや議会制民主主義の原点を基本として考えると多くの疑問や課題が指摘される。所沢市のエアコン問題でも、エアコン設置が多数であったが、投票率の低さは、呆れた結果だっというしかなかった。それだったら、アンケート調査となんら変わりがないわけで、数千万円もの住民投票で使った経費を考えると無駄遣いもいいところだったろう。

与那国町の住民投票にはもっと問題があったのは、通常の有権者以外の中学生や永住外国人にも投票権を与えたからだ。総人口1,500人弱の島で、中学生41人を含む未成年者97人と外国人5人を入れて、1284人が住民投票への参加資格を得て投票したわけだが、その彼らが問われたのは、国と自治体が正式合意した安全保障政策の是非である。自衛隊配備についての住民投票に、未成年者や外国人にまで投票権を与えるとは?!まったくもって大問題だったわけだ。当然、憲法違反にもなるわけだ。

無題

話をつくば市に戻す。

私は、今、つくば市の議会では、是々非々の立場だ。しかし、市議会の中では、所謂、野党側の立場にある。市長の関係でいけば反対派だと言える。だから、総合運動公園整備についてもそれ以外の市長や執行部の政策については、非は糺す。しっかりと糺すべき立場だ。もちろん、全部を反対ばかりしているわけではない。当然、是とするものは、しっかり議論をして確認して賛成もする。単なる政治抗争の議会ばかりをやっていては、結局は、その煽りを市民が不利益を被ることになるわけだが、それは、何としてもしてはならないと考えている。当然、執行部批判をする材料としては、今回の運動公園整備についての住民投票の活動は、格好の攻撃材料になるだろう。しかし、今回の問題は、基本的にその話とはまったく別次元の話なのだ。

何回も繰り返すが、住民投票という市民の意思表示をすることが、議会制民主主義に反することであり、ましてや議員がそれを認めることに、全くの矛盾を感じるし、政治の基本を逸脱した行為だと感じるからだ。だから、今回、つくば市に提出された住民投票の署名についても、今後これを精査して、スケジュール的には、議会に条例案が提出されることと予想されるが、これについては、私は、反対の態度をとるつもりである。また市民運動の方のコメントを聞くと、「議会で決められてしまう」という意見をよく聞くが?!議会では、極めて慎重にしかもいろいろな議員が多くの質問をして、深い議論を重ねている実態があるわけだ。これがなかなか市民に伝わらないことがもどかしいかぎりだ。

これは議員各自が広く、自助努力で、市民に伝える義務があると思うが・・・。どちらにしても、近くその賛否を議会で諮られることになりそうだ。